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顔と体の「むくみ」をスッキリ!毎日、無理せず続く
「ながらストレッチ」

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運動不足が続いて、身体が重たくなっていませんか? 例えばお酒を飲み、カロリーの高い食事を食べ過ぎると、体重が増えてしまうのはもちろんのこと、気になるのは翌日のむくみ。朝起きて、目の腫れぼったさや体のだるさを感じたら要注意! むくんだ状態は、身体に老廃物や不要な水分が溜まっており、いくらダイエットをしても効果が表れにくいのです。

そこでむくみを解消するための、テレビを見ながら、歯磨きしながら、などちょっとした時間でできる“ながらストレッチ”を、ヨガインストラクターの紙谷夏美さんに教えていただきました。

 

ストレッチが排出機能を高める

そもそもむくみとは、水分や老廃物が皮膚の下に溜まってしまっている状態のこと。「本来、体に吸収された栄養は、血液と血管を通して全身の細胞に送り込まれています。そのとき、不要になった老廃物は水分に溶け込んで排出されるのですが、排出機能が衰えると、老廃物や水分が体内に溜まり、むくみを引き起こすのです」(紙谷夏美さん、以下同)

そこで、効果を発揮するのがストレッチ。「血流をよくし、排出を促すストレッチを行うことで、むくまない身体づくりができるようになり、排出がうまくいくようになると、ダイエットも効果的に行うことができます」

 

「顔のむくみ」にはリンパを流すエクササイズ

もっともむくみを感じやすいのは、顔周りでしょう。朝起きて顔がむくんでいると、メイクしても腫れぼったさが隠せなかったり、頭がぼんやりした印象に……。「お酒を飲み過ぎた翌日や疲れていると、顔がむくみやすくなります。顔全体のコリをほぐして、首から脇のリンパ節に向けて老廃物を流しましょう」

【顔と首のストレッチ①】首を細く長く!

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「かかとを身体の中心に合わせて置き、骨盤が床と垂直になるように座ります。この座り方が難しい方は無理をせず、あぐらや正座でも構いません。背骨をまっすぐに保ったまま、片手を頭に乗せて傾け、耳の後ろから鎖骨につながる筋肉を伸ばしましょう。この筋肉の下にある静脈やリンパは、血液を心臓に戻す通り道になりますから、滞らないようにすると、むくみにくくなります。乗せた手は軽く置き、頭を押さないで自然に手の重さを感じながら、10秒経ったら、頭を反対に傾けてもう片方の手と交代します。気がついたときに、これを2往復くらいやってみましょう」

【顔と首のストレッチ②】フェイスラインくっきり!

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「口を大きく開けて、ア、イ、ウ、エ、オの形にします。口周り、頬、あご、首の筋肉をしっかり使って頬の下あたりに溜まる老廃物を流していきましょう。朝、顔を洗ってメイクする前や、夜のスキンケアをしながら、3回くらい繰り返しましょう」

【顔と首のストレッチ③】きれいな鎖骨に!

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「顔ストレッチ1、2で流れた老廃物は、鎖骨の下に溜まっていきます。これを脇の下のリンパ節まで流していきたいので、指で鎖骨を挟み込むようにして、肩の方に向かって左右10回ずつくらい撫でていきましょう。このときあまり力をかけてゴシゴシするのではなく、そっと撫でる程度で十分です」

 

「脚のむくみ」にはふくらはぎのストレッチ

職業柄、座ったままの作業が多い人は、特に脚がむくみやすいかもしれません。それは、座っているときに脚の付け根が圧迫され、血液やリンパの流れが滞りやすくなるからです

「ふくらはぎには、心臓に血液を戻すポンプの役割があります。ふくらはぎの筋肉が弱まっている方は特に、代謝が落ち、血流も悪くなりがちです。また、自律神経の働きが鈍ると、水分代謝機能が低下してむくみの原因となるので、リラックスすることも大切。ゆったりした気持ちで、下半身に溜まったものを全身に循環させるエクササイズをしてみましょう。下半身に溜まったものを全身に循環させるストレッチをしてみましょう」

【脚ストレッチ①】ふくらはぎに筋力を

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「脚を広げたら、息を吸いながら片足を曲げ、両手を上にあげます。ゆったりとした深い呼吸に合わせて、吐きながら手を下ろし、曲げた膝を伸ばします。左右5ずつやってみましょう。曲げた脚のふくらはぎと、後ろで伸ばしたふくらはぎ、どちらの筋肉も使えて効果的です」

【脚ストレッチ②】下半身の老廃物を流す

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「わたしがよく眠る前にするストレッチでおすすめなのが、こちらのポーズです。壁に脚を上げるだけで、気持ちよくてこのまま寝てしまうこともあるんですよ。5〜10分ほどがちょうどよいと思いますが、気持ちがよければ長くしてもいいですし、脚を下ろしたくなったらやめてしまっても構いません。脚が落ちそうで緊張してしまうので、タオルで足首のあたりを緩めに結んでおくと楽に力が抜けます。心臓から離れている下半身は、そもそも老廃物が溜まりやすい上、重力も影響するので、こうして下半身に溜まった血液や老廃物を上半身に戻していきます」

【脚ストレッチ③】オフィスでもできる!

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「椅子に座ったままできるので、オフィスの休憩時間などにも使えるストレッチです。椅子に浅く腰をかけたら、両かかとを床から離して上げ、いったん戻して足の裏をつけます。次はつま先を上げて、また戻す。これを10セットくらいやるだけで、足先にまで血液がめぐり、ポカポカしてきますよ。冷え性の方は、つま先まで血液がうまく流れていないので、足先のストレッチをすると血行がよくなり、ふくらはぎのポンプの役割を助けてくれます。飛行機や新幹線に乗りっぱなしのときにすると、エコノミー症候群の予防にもなりますよ」

 

お腹とお尻のストレッチで痩せやすくなる

お腹とお尻は、加齢によっても腹筋や背筋などの筋肉量が落ち、たるみやすくなります。そのたるんだところに脂肪やセルライト、老廃物が溜まっていき、むくみにつながっていくのです。「ダイエットしてもなかなかウエストやヒップが落ちない方は、むくみが原因かもしれません。ここを鍛えておくことで、腰痛や冷えなどを解消できます」

【お腹とお尻のストレッチ①】ヒップアップに効果的

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「四つん這いの形になり、片足をまっすぐ上げていきます。この姿勢を保ち、10秒ほどカウントしましょう。このとき、高く脚をあげようとして背中が反らないよう、背中はまっすぐの状態をキープしてください。かかとを蹴り出すイメージでポーズをとります。お尻の筋肉や背中など、普段あまり使わない部分が鍛えられ、血行がよくなります。また、ヒップアップにも効果的です」

【お腹とお尻のストレッチ②】お腹のたるみに

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「1のポーズで10秒カウントしたら、今度は伸ばしていた脚をお腹の方へ曲げ、おでこと膝、お腹と腿がくっつくようなイメージで身体を丸めます。このとき、腹筋がしっかり使えるので、お腹周りのたるみやむくみに効果的です。このポーズでさらに10秒カウントしたら、もう一方の脚に交代し、3セット繰り返しましょう」

【お腹とお尻のストレッチ③】ヒップとふくらはぎを鍛える

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「片足をまっすぐ伸ばして上げ、そこから更に後方へ蹴ってみましょう。片足を上げる、戻す、上げる、戻す、と何度か繰り返します。体がグラグラして不安定な方は壁に手をつき、大丈夫な人は歯磨きや料理をしながら、普段の生活の中で気がついたときにやってみましょう」

【お腹とお尻のストレッチ④】腹筋を使う

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「仰向けに寝たら、お尻の下に手の甲を上にして両手をしまい、両足を90度の高さまで上げます。そこから床まで、1/3ずつ下ろしていくストレッチです。まずは90度のところで一呼吸し、息を吐きながら写真のように1/3のところまで脚を下ろします。そこで息を吸ったら、また吐きながら1/3下ろし、また吸ってゆっくり床に脚を下ろします。ドンと脚を下ろさず、最後まで腹筋を使って脚を支えながら降ろしていきましょう。これもテレビを見ながらできるので、2〜3回繰り返すといいでしょう」

 

ストレッチは、ヨガマットを準備してトレーニングウエアに着替えて……、と準備に手間がかかると、面倒になってしまうもの。何かをしながらついでに体を動かせば、無理なく続けられますよね。むくみ解消で代謝力を上げ、痩せやすい体づくりをしていきましょう。

Profile

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ヨガインストラクター / 紙谷夏美

北海道出身。2007年、パティシエ・フードコーディネーターとして活動する中で、食と健康のつながりからヨガと出会う。個人の体質や性質を尊重するイシュタヨガの練習を重ね、指導を開始。現在は都内スタジオ・プライベートレッスンを中心に活動中。ヨガインストラクターの傍ら、ナチュラルな食を提案している。
https://www.kamiyanatsumi.com/

 

取材・文=吉川愛歩 撮影=矢部ひとみ 構成=Neem Tree