無理は禁物! 自分に合ったペースで、定期的に
———ではファスティングですが、具体的にはどのように始めるのがいいんでしょうか?
石原:先ほども話した通り、本当は1週間行いますが、いきなりは無理です。まずは半日から1日でも充分効果がありますよ。食事も、朝だけリンゴとニンジンのジュースに置き換える方法でもOK。「週末だけ断食」とか、あまり変に頑張らないでください。無理だと思ったらやめても大丈夫です。
そして重要なのが「回復食」。断食が終わった後は、いきなりヘビーな食べ物を取らないようにしてください。期間にもよりますが、重湯やおかゆで胃を慣らしながら、平常に戻していきます。
———断食をすれば体重が変動すると思いますが、気にした方がいいのですか?
石原:1日1kg痩せる人もいるし、全然変わらない人もいるし、逆に胃腸が休まったせいで吸収率が上がって太る人もいます。でも、いずれも内臓を休ませることで適正になった結果ですから、そこまで気にしなくて大丈夫ですよ。
———断食を始める期間の目安を教えてください。
石原:最初は「1カ月に1日」から始めましょう。朝をリンゴとニンジンのジュースに置き換えて、夜だけ食べる。1.5食くらいのイメージで。
断食道場での1日の食事
8時 人参3本+りんご1個のジュース3杯
10時 具なしの味噌汁
12時 人参3本+りんご1個のジュース3杯
15時 生姜湯(黒砂糖を入れてもOK)
17時 人参3本+りんご1個のジュース3杯
黒砂糖で空腹に対処を。
女性は生理前の断食に注意!
———最後に、断食をする上で注意すべきポイントを教えてください。
石原:先ほども少し触れましたが、「回復食」は大事です。断食直後は胃腸の消化力が弱まっているため、いきなり肉などの脂っこい食事をとるとお腹を下してしまいます。お酒なども危険なので、おかゆと味噌汁などで少しずつ元に戻しましょう。
また、空腹に耐えかねてフラフラして継続できないと思ったら、黒砂糖を食べると血糖値を緩やかに上げてくれるので効果的です。しかもビタミン類も多いですしね。白砂糖は急激に血糖値が上がりすぎるのでNG。あとは具なしの味噌汁を飲むと適度に塩分が摂れていいですよ。
女性の場合、生理前はお腹がすくし、カラダもむくむし、体重も増えるしであまり効果が出にくい。だから断食をするなら、生理が始まってから生理の始まる1週間前までがオススメです!
以上、石原先生にお聞きしたファスティングのコツ、いかがだったでしょうか。ひどい貧血、重篤患者、授乳中や妊婦の方はなるべく避けた方が良いとのこと。しっかりとやり方を学び実行すれば、カラダにとって良い状態を作ってくれるファスティング、ぜひチャレンジしてみてください。
Profile
医師 / 石原 新菜
1980年、長崎県生まれ。小学校は2年生時までスイスで過ごし、その後、高校卒業まで静岡県伊東市で育つ。2000年4月、帝京大学医学部に入学。2006年3月卒業、同大学病院で2年間の研修医を経て、現在父、石原結實のクリニックで主に漢方医学、自然療法、食事療法により、種々の病気の治療にあたっている。
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食事の代わりに酵素ドリンクを飲む、「酵素断食」のやり方を記した一冊。これ以外にも自身の専門である漢方医学、自然療法、食事療法の知識を生かした療法を世間のために広めるべく、精力的に活動している。
取材・文=三宅 隆 撮影=@Living編集部