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息苦しいのは間違った呼吸のせいだった!ヨガ講師が教える
マスク内の呼吸法と、呼吸を整えるストレッチ

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マスク生活が続く中で、ふたたび酷暑がやってきました。気温と湿度がともに上がってくると、どうしてもマスクを着けての呼吸は苦しくなります。とはいえ、人がいるところで安易に外すのは避けたいもの。

マスクをしていて苦しくなったとき、回避するにはどうしたらいい? 自宅に帰ったときに呼吸整えるには? 呼吸法について、ヨガ講師の山本華子さんに教えていただきました。

 

マスク下での呼吸は無理をしないことが鉄則!

マスクをしていると、二酸化炭素の多い呼気が内部にこもりやすくなる上、鼻から息を吸い込みづらく、どうしても口呼吸になってしまうことが多くなります。でも、口呼吸は身体にさまざまな影響を及ぼす可能性があります。

【関連記事】マスク生活で増える「口呼吸」が及ぼす悪影響とは?

「ヨガでも、鼻から吸って鼻から吐くことで体を温めることができる呼吸法が基本ですが、鼻から息を吐くとマスク内に湿気がこもり、不快感を伴ったり暑さを感じたりしますよね。また、空気中にウイルスの不安があるという潜在意識から、息を深く吸い込むことに怖さを感じて呼吸が浅くなってしまっている方もいらっしゃいます。

呼吸が浅くなると、頭痛がしたり、過呼吸のような症状を引き起こしたりする場合もありますから、苦しいなと思ったら、まずは無理せずいったんマスクを外せるところに移動し、マスクを取って深呼吸をするのがいちばんです。そこまでではないけれどつらいと感じたら、“冷ます呼吸法”で呼吸を整えてみましょう」(ヨガ講師・山本華子さん、以下同)

 

マスクの中で呼吸を整える「冷ます呼吸法」

マスクの中で口をすぼめ、熱いものにフーフーと息をかけるように息を吐く呼吸法です。

「口から空気を吸い込んでしまうと雑菌が入る心配がありますが、口から吐き出す分には大丈夫。息を吸い込むときは鼻から、吐き出すときは口から行うことで、深い呼吸ができます。吐く息でマスクの中が涼しくなるのも心地いいので、呼吸が整うまで繰り返してみてください」

(※写真では分かりやすいよう、マスクを外して行っています。)

1. 鼻から思い切り息を吸う

「肺にたっぷりの空気が入るように背筋を伸ばして、吸い込みます。無理にゆっくりしなくていいので、自分が気持ちよい速度で行ってください」

2. 口をすぼめて息を吹く

「目の前にある熱いもの冷ますように、口をすぼめて息を吹きましょう。マスクの中の湿度が下がり、覆われている部分が涼しくなります。これを繰り返すことで、マスクをしていても深く息を吸って吐くという呼吸がしっかりできるようになります。特別に暑い日や炎天下ではそれでも暑いので、そんなときはマスクを少し口から浮かせて行うといいでしょう」

 

どうしてもつらくなったときのために持っておきたい“アロマハンカチ”

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暑さやマスクの閉塞感から、どうしても呼吸がうまく体に入ってこないと感じたら、お気に入りのアロマをつけたハンカチで鼻を覆い、深呼吸を繰り返してみましょう。

「マスクをすぐに外せればいいのですが、そうでないこともありますよね。極度に緊張してしまう方や呼吸が浅くなりがちな方は特に、常にハンカチを持っておくとよいですよ。マスクよりは空気が通り、慣れ親しんだ香りがあることで、気持ちを整えることができます」

 

マスク生活で疲れた体をいたわる! 呼吸を整えるストレッチ4

マスクをする時間が続いたあとは、ストレッチしながらじっくりと呼吸と向き合う時間を作りましょう。

「マスク生活も1年半になりますが、それでもわたしたちは今もとても緊張感のある生活をしています。本来、体は上虚下実といって上半身は何もないかのように空っぽでリラックスした状態にし、下半身は力強くどっしりとしたバランスでいるとよいと言われています。ですが緊張していると、上半身に力が入りがちですよね。電車に乗ったときや道を歩いているとき、人との接触を避けようとすると胸が縮こまり、グッと肩に力が入った状態になってしまうんです。

その緊張をほぐすためにも、呼吸を行いながらストレッチをして、一日の疲れをリセットしてみてください。夜、眠る前にこれからお教えする4つのストレッチをそれぞれ繰り返して行うのがおすすめです。夜に時間が取れない人は、朝行ってリラックスした体で一日過ごしましょう」

1. 両手を伸ばして左右に揺れるストレッチ

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「両手をピンと伸ばしたまま、両手と上半身を揺らします。あぐらを組んで、お尻でゆらゆらと揺れるようにしながら左右に手を振りましょう。たくさん倒そうとするのではなく、脇に空間を作り、気持ちよく伸びるのがポイントです」

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「左右に体を傾けながら、鼻から吸って鼻から吐く呼吸をします。縮こまっていた背骨を伸ばし、肺をしっかり広げて空気がたっぷり行き届くように呼吸を繰り返しましょう。気持ちがよいなら続けても構いませんが、10秒くらいは行います」

 

2. 両手曲げて左右に揺れるストレッチ

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「動きは先ほどと同じで左右に揺れるのですが、腕を頭の後ろで組みます。首を伸ばし、上半身に入ってしまう力を抜いて、呼吸に合わせてゆっくり左右に振ります。振りながら、縮こまった胸を広げましょう。こちらも10秒くらい行います」

 

3. 伸びて脱力するストレッチ

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「鼻から息を大きく吸いながら、両手をまっすぐ頭上に伸ばします」

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「そこから体から遠いところを通って両手を下ろし、その動作と合わせて口から息を思い切りハァッ! と吐きます。声が出るくらいでも構いません」

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「今度はまた鼻で息を吸って肩を持ち上げ、力をぎゅっと首元に集めます」

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「肩を下げると同時にふたたび口からハァッ! と息を吐きます。この一連の流れを3回繰り返しましょう」

 

4. お祈りポーズのストレッチ

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「両手を高く上げて上半身伸ばしながら、鼻から息を大きく吸います」

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「鼻から息を出しながら手を下げてきて、お祈りのポーズをします。この一連の流れを3回繰り返しましょう」

 

胸式呼吸と腹式呼吸、できている?

呼吸法には、息を吸ったときに胸が膨らみ、吐いたときに胸が元に戻る胸式呼吸と、息を吸うとお腹が膨らんで、吐くとお腹がへこむ腹式呼吸があります。

「現代人はどうしても胸式呼吸をしている方が多い傾向にあります。胸式呼吸は、一度に吸える量は少ないのですが素早く呼吸を行えるというメリットがあり、走っているときや運動のときに向いています。頭をスッキリさせ、体は覚醒する方向に向かいます。一方腹式呼吸は一般的にはリラックスの呼吸法ともいわれ、自律神経を整えます。疲れやイライラを抑えるときはこちらが向いています。たとえば階段を上り下りするときには胸式呼吸を、ちょっと気持ちを整えたいときには腹式呼吸を、というふうに使い分けができるようになっておくと、生活の中で気持ちや体を整えるのにとても役立ちますよ」

【胸式呼吸と腹式呼吸の練習法】

胸式呼吸と腹式呼吸をしてみましょう。「眠る前のストレッチの後や朝起きたときなど、思いついたときで構いません」

1. 胸式呼吸を3~5回繰り返す
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「胸の下に手を当てて、胸の膨らみを感じながら鼻から息をたっぷり肺に吸い込みましょう」

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「手で少し抑えるようにしながら鼻から息を出し、胸を元に戻します」

2.腹式呼吸を3~5回繰り返す
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「こちらも胸式呼吸と同じように鼻から吸って鼻から吐きます。お腹に手を当てて、お腹の膨らみや縮みを感じながら、胸ではなくお腹を風船のよう膨らませます」

 

ヨガ講師・山本華子さんおすすめの“呼吸がしやすいマスク”

山本さんに、呼吸法に着目してマスクを選んでいただきました。呼吸のしやすさを優先して選んでいるため、ウイルス対策への有効性は保証されませんので、シーンを選んで使用してください。

1. 二重構造で息が苦しくならないマスク
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えんしゅう共栄堂「BEAK」(9色)
1780円+税

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掛川に拠点を置く、えんしゅう共栄堂が展開するテニスウエアブランド「LIJA」が開発したマスクです。マスクの布が上下に分かれていて、息がこもらないような仕組みになっています。「吐いた息がマスク内にたまらず湿度を感じにくいので、苦しくなりにくいと思います。小さなポケットもついていて、夏は保冷剤を入れられるようになっています」

2. ミント成分配合でひんやり感覚が心地いい!
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クロスプラス「PASTEL MASK COOL」
780円+税(3枚入り)

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顔にフィットする立体構造で口元にわずかな隙間ができるので、口周りが息苦しくなりづらい設計です。素材の50%に冷感素材を使い、冷たさが持続するようミントの成分も配合しました。「肌触りがよくてつけ心地が軽いので、呼吸しやすいですよ。カラーバリエーションも豊富なのがうれしいですよね」

3. 通気性がよく、幅広めでUV対策にも活躍
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白元アース「ビースタイル UVカットマスク プリーツタイプ3枚入」
298円+税

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軽やかなつけ心地の素材で、呼吸を苦しくさせません。UV用に顔を大きく覆えるサイズになっています。口元に空間ができるよう設計されたプリーツも、つけ心地を楽にするポイントです。「つけていても涼しい感覚があり、口の周りの閉塞感がありません。プリーツをしっかり広げれば、鼻の下にも空間ができるので、つけていても呼吸が整えやすいですよ」

 

暑い日のマスクは、思った以上に体に負担がかかるもの。定期的に深呼吸をしたり、自宅でリラックスタイムを作ったりしながら、無理なく快適に過ごしましょう。

Profile

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ヨガ講師 / 山本華子

Studio MUSIC FLOW YOGA(世田谷区桜新町)代表。ヨガ&フィットネス講師歴25年。ヨガ、フィットネス、東洋医学などホリスティックな見地での指導やプログラム考案が好評。著書に「1week self-care book」(ディスカバー)など。

 

取材・文=吉川愛歩 撮影=安藤佐也加 編集協力=Neem Tree