伊勢谷さんが実践しているインテリアのこだわりポイント
――そんな部屋選びのプロである伊勢谷さんは、どんな部屋づくりを意識しているのでしょうか?
伊勢谷:昔、5年間ほどオーストラリアに住んでいた時期があるんですが、海外って自分の好きなものを自分の部屋や生活に反映していくのが、至極当然なことなんですね。勝手に壁を塗ってもOKだったり、クロスを貼り替えたり。でも、国内の賃貸物件だとそうはいかない。だから私は家を購入し、大好きな純喫茶のような空間にするため、室内をほぼフルリノベーションしました。アイアンを使ったり、木材を壁に貼って照りのある塗装を施したり、一番こだわったのはヘリンボーン調の床ですね。
――こういうアイアンはどこで購入するんですか?
伊勢谷:これは工場に特注しました。マンションのドアに入り切らなかったので、パーツに分けて運び入れて、中で溶接したんです。
――ものすごい手間がかかってる……。
伊勢谷:たしかに大変でしたが、自分のライフスタイルを確立して理想の部屋をつくるって本当に楽しいですよ。
作り手の体温が伝わるサービス&メディアに
――今後、カウカモさんはどういった方向を目指すのでしょうか?
伊勢谷:やっぱり部屋選びや、家を買うって不安があると思うんです。不動産は旧態依然とした業界ですし、そこをカウカモで改善していきたいと考えています。IT全盛でデータを活用することはあっても、ちゃんと人間対人間という部分を大事にしていきたい。特に女性ひとりで不動産を決めるってハードルが高いことだと思います。そんなときに、カウカモのメディアとしての信頼感や、エージェントの顔が見える営業で、少しでも安心して部屋決めができるようになってくれれば。
――エリアも、今後は広がっていきそうですね?
伊勢谷:その予定ではありますが、私たちは本当に勧められる物件しか紹介したくないと思っているんです。物件情報は必ず編集部でも確認しますし、そうするとあまり広い地域をカバーするのは難しいという事情もあります。ですから地道に、ユーザーさんにとって有益な情報を確実に届けていくのが、カウカモの役割だと思いますね。
Profile
カウカモ 編集長 / 伊勢谷亜耶子
慶應義塾大学SFC出身。在学中は建築の分野を学ぶ。デベロッパー、設計事務所を経て2015年1月「ツクルバ」に入社。以来、メディアの力を通じて不動産業界をより明るく、安心して利用できるサービスにすることを目指している。
取材・文=三宅 隆 撮影=中田 悟