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今あるものだけであか抜ける!センスがなくてもOKな
理論で整えるインテリア

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模様替えや片付けをするたびに、家具の配置や小物の置き方に困っていませんか? 素敵なインテリアの写真はあふれていますが、実際にそれを参考にしようとすると、高価な家具が必要になったり、写真は元々広い部屋やリノベーション済みの部屋だったり、そもそも海外の部屋だったり。イマイチ自分のセンスにも自信がないし、やっぱり今の自分の部屋と家具だけではオシャレにならないのか……と諦めかけている人も多いのではないでしょうか。

今回は、『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』の著者であり、@Livingでは「北向き部屋のインテリア術」を教えていただいたこともある、インテリアコーディネーターの荒井詩万さんにコンタクト。センスが足りなくても新しいアイテムを購入しなくても、あか抜けた部屋にするためのルールを聞きました。

【関連記事】北向きの部屋で快適に暮らす、インテリアの整え方

 

ルールに従って整えていくだけで部屋はスッキリする!

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雑誌やウェブサイトなどでインテリアの実例を見ていると、「どうしてこんなに上手にまとめられるのだろう?」と、疑問に感じることがないでしょうか? 手頃な価格で揃えられた家具ばかりなのに、ドラマに出てくるようなスタイリングになっている部屋や、狭いのに上手にスペースを活用して家具を配置している実例もよく見かけますよね。

そんな素敵なインテリアに整えるために必要なのは、センスではなく理論である、というのが荒井さんの教えです。

「去年、『今あるもので「あか抜けた」部屋になる。』という本を作りはじめたときに、ふと、本当にルールに従って整えさえすれば“あか抜けた部屋”になるんだろうか? と編集者と疑問に感じた瞬間があったんですね。そこで、本作りを進めるにあたって編集部の方々のお部屋を、本当にそこにあるものだけであか抜けさせられるかをやってみよう! ということでお部屋改造をしました。当時4名の方のお部屋に伺ったのですが、新しい家具も小物も買わず、配置換えをするだけでインテリアを整えることに成功し、これならどなたにでもできる! と実感しました」(インテリアコーディネーター・荒井詩万さん、以下同)

 

今あるものだけであか抜ける5つのインテリア理論

実際にその当時、荒井さんが整えたお部屋の実例も交えながら、5つのルールを解説していただきましょう。

 

1. 入口の対角に何を置くかですべてが決まる!

入口の対角は、一番の見せ場。ここにもっとも見せたいお気に入りのものやグリーンなどを置くことで、入ってきたときにスッキリとした美しさを感じられます。

【Before】
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こちらは20代女性のひとり暮らしの部屋。カメラのある方が玄関になり、ルールにある“入口の対角”にはベッドのヘッドレストが来ています。左側には自宅で仕事ができるよう、机が置かれていました。

「インテリアのテイストは同系色でまとめられている上、物も多くないので、ごちゃごちゃしているわけではないのですが、なんだかベッドの存在感が大きすぎて気になりますよね。窓も潰してしまっているのではみ出た印象がありますし、黒い色がとても目立ちます。ベッドはホテルのように頭側を壁側にする方が落ち着くので、レイアウトを変更しました」

【After】
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こちらが、同じ部屋で同じ家具を使ってレイアウトチェンジをした写真。Beforeと同じ広さなのに、ゆとりを感じられるようになりました。

「ベッドはかなりの大物なので、間取りによってはどうにも動かせないこともありますが、このお部屋は左側にもゆとりがあったので、枕を左側に向けて置き直しました。そしてもともと左側に置いてあったデスクを右に配置し、ちょうど入口の対角にある壁には、ポストカードをマスキングテープで貼ったものと時計でスタイリングしています。お気に入りとおっしゃっていたラグも、部屋に入ってすぐに見える位置にとデスクの下に敷きました。下に照明を置いたことで雰囲気も出て、広く感じさせることができるようになりました

 

2. 一箇所だけに目線を集めて見せ場をつくる

情報が多くなってしまうと、入ってきたときにどこに視線をやればいいのかわからなくなってしまいます。見せなくていいものはきちんとしまい、アートなどで目線を定めましょう。

【Before】
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こちらは夫婦と小さなお子さんのお宅。入ってすぐ目に飛び込んでくるのは、やはり入口の対角にある収納家具。中にたくさんのものが詰まっていて、雑多な印象を与えます。

「収納家具と並んでテレビも置いてありますよね。テレビも配線の問題でここにしか置けないということもありますが、この場所に置いてしまうのはもったいないです。テレビって消えていると真っ黒で無機質なものにしかなりませんし、隣に飾ってある額がまったく目に入ってきません。ソファは置き場に困ってこの位置になったそうですが、テレビから遠くてまったく座っていないとのことでした」

【After】
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こちらがレイアウトチェンジした部屋です。最初に目に入ってきていた収納家具は、この位置からは死角になる左側に持ってきています。

いちばんいい場所にギターとアート、ソファを置いて、ここを見せ場にしています。ソファは少し汚れているところがあったので、お手持ちのブランケットをかけて、新しいものを買わなくてもすっきり見せることができました。お子さまが描かれた絵にも視線が行き、ちょうど絵とクッションの色が合っているのも整って見えるポイントです。この位置なら自然にソファにも座れますよね」

 

3. 背の低い家具を奥にすると錯覚で広く見える

背の高い家具を奥にしてしまうと、それだけが大きく見えてしまい、部屋を狭く圧迫した感じの印象にしてしまいます。遠近法を使って、奥に向かって広がりを持たせましょう。

【Before】
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こちらは男性のひとり暮らしの部屋。入口の対角には、やはりテレビがありました。

「この位置にテレビを置く方はとても多いので、ここは意識して注意しましょう。また、ソファが背を向けていると、『どうぞ』というウェルカムな印象が消えてしまい、座りづらさを感じます。さらに背の高い本棚が左奥にあり、ここで視線が止まってしまうので圧迫感が出てしまい、部屋を狭く感じさせていますよね。部屋があか抜けるルールでは、背の高い家具を手前に、背の低い家具を奥に配置すると、目線が邪魔されずに部屋の奥まで見通せるので、広く感じます。美術でいう“遠近法”と同じように、手前にあるものを大きく、奥に進むにしたがって小さく描くことで、奥行き感を表現していきます」

【After】
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そしてこちらがアフター写真。

「まずルール1に沿って、いちばん好きなものとおっしゃっていたウッドベースを対角に置きました。ルール2に従って照明やギターも並べ、ここに視線が集まるよう見せ場にしています。そしてルール3に則って、圧迫感のあった本棚は手前に移動し、背の低いテレビ台を奥にずらしています。ソファがこちら側を向いたことで、入ってきてすぐに座れるようになりましたし、印象もよくなりますよね」

 

4. 三角形の法則なら1分でディスプレイが完成する

チェストの上やベッドのヘッドレスト、窓辺などに集めてきた雑貨や好きな小物を置くときは、三角を意識してレイアウトするとごちゃごちゃ感が出ません。

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小物を置くときは、好きなものをどんどん並べてボリュームが肥大化してしまったり、同じ高さのものばかりで奥のものが見えなかったり、きれいにしたくて飾ったはずなのに乱雑な印象になってしまうこともありますよね。

背の高いもの、中くらいのもの、低いものという3つのアイテムを選び、三角形を意識して置いてみましょう。たとえば背の高い花瓶、キャンドルや写真立て、小物など高低差を出すことで、動きが出ます。幅のあるチェストの上などでもこのバランスを崩さず、三角形の塊をいくつか作ることでリズムが生まれてまとまります」

 

5. ちぐはぐに感じたら色か素材でグループ分け

どうにもまとまらないときは色か素材を意識して、同種のものを同じ場所に置くようにスタイリングしてみましょう。

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小物の取り合わせに困ったときは、色と素材を意識してまとめていきます。1枚目の写真は木製をベースに集めたそうです。

「2枚目(左)は、ガラス製で淡いピンク色を意識してまとめたもの、3枚目(右)は、ブルーのタイルに合わせて青と貝殻、海をイメージした小物で合わせました。色と素材が合っているだけで統一感が出るので、インテリアがごちゃごちゃしたように見えず、すっきりとします」

 

次のページでは、インテリアの中で利かせる小物について、いくつか教えていただきましょう。持っているものをできるだけ上手に取り入れながらも、視線を定めるためのアイテムや、印象をぐっと変えることのできるものがあると、さらに整えやすくなります。