2012年にサービスを開始し、住まいとインテリアの写真投稿サービスを提供する「RoomClip(ルームクリップ)」。実際に誰かが住んでいる部屋を見られるという、ユーザー参加型のつくりで人気を集めています。
さまざまなインテリア系メディアに、部屋づくりのトレンドやハウツーを聞く当連載の3回目である今回は、「エンドユーザーが主役のサービス」であることに興味を持ったという、同社コミュニティデビジョン事業部・竹野実希さんに、RoomClipならではの部屋づくりの秘訣を聞きました。
RoomClip/ルームクリップ
https://roomclip.jp/
「みんなでつくるお部屋の写真集」をコンセプトに、ユーザーが実際に住む部屋の写真を400万点以上アップしており、いろいろな生活スタイルやDIY、収納アイデアなど、インテリアにまつわる情報を共有。また「保存」機能を使えば、気に入った写真だけを集めた自分だけのインテリア写真集を作ることも。「RoomClip mag」では、編集部がユーザーの方に取材したお役立ち記事を数多く配信。
ワントーンのカラーコーディネートで部屋に統一感を出すのがトレンド
———数多くのユーザーやファンを抱えるサイトとして、RoomClipさんは最近のインテリアにおけるトレンドを、どうとらえていますか?
竹野実希さん(以下、竹野):ファッションと同じように「気軽に自分の部屋の雰囲気を変えたい」と考える方が増えているなと感じます。従来なら、大きめの家具を動かすような模様替えが多かったんです。でも最近は手軽に、小物やファブリックの色や素材を変えて雰囲気を変えちゃおう、というような。なので、ベースとなるのは主張が強くないホワイト系のインテリアや、シンプルなインテリアが多いですね。
そこに例えば、ブルーの麻素材のクッションを足して“西海岸風”にしたり、ニットやキリムの素材をプラスしてBOHOスタイルにしたりとか。家具を買い直すのではなく、着替えるように部屋のスタイル変更するのが流行っている印象がありますね。
———「ファブリックを変える」とおっしゃいましたが、具体的にはどのような方法があるのでしょうか?
竹野:クッションやラグ、カーテンなど、部屋にあるファブリックの色を統一する方が多いですね。ファッションでも流行っている「ワントーンコーデ」「ワンカラーコーデ」というような感じです。RoomClip上でも「ベージュ ホワイト」などのキーワードで検索するとわかりやすいですよ。部屋の色調を揃えて統一感を出すテクニックなんです。
日本家屋のサイズ感に馴染むアンティークな古道具が人気
———部屋の統一感って、たしかに大事ですよね。では、インテリアとして置く小物はどんなものがトレンドなんでしょうか?
竹野:私も大好きなんですが、アンティークな日本の古道具は人気ですね。私も先日、古い水屋箪笥を購入しました。こういったものがなぜ流行っているのかというと、定番の「北欧インテリア」や「ナチュラルインテリア」と相性が良く、さらにサイズ感が日本の家の間取りにマッチするため、取り入れやすいんだと思います。
同じアンティーク系でも、海外のものはサイズが大きすぎるしデザインも個性的なものが多い。それが日本の古道具なら、ナチュラル系やモダン系のどちらにも使えるし、蚤の市で自分好みのデザインを見つけて手に入れる楽しさもありますよね。
———でも古道具って、選ぶのは難しくないですか?
竹野:たしかに。でも、存在感や佇まいが美しかったりするので、自分が好きと思えるかが重要です。直感で選んでもらっていいと思いますよ。
———なんだか失敗しそうで心配です……(笑)
竹野:わかります。アンティークなテレビ台を買ったときは、ちゃんとサイズを測り、頭の中でシミュレーションをしましたね。あとは色かな。他の家具との統一感が、やはり大事なんです。
でも、やっぱりある程度のチャレンジは必要だと思います。私も、自分が好きだと思えるテイストや古道具の見極めまでに、5年くらいはかかっています。何度も失敗して、ほとんどの家具を買い替えましたし……。だから、いろいろな物を見て感覚を磨いていけば、自分の「好き」を見つけやすくなるはずです。
このように、さまざまなスタイルが生まれているインテリア。RoomClipでは、今後をどう見通しているのでしょうか? また、竹野さんお気に入りの私物も見せていただきます。