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自動運転がいい?「除湿」は冷房より節約できる?節約アドバイザーが解説する
エアコン(冷房)のお得な使い方

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エアコン節約術のその常識、ホントですか!?

巷では、エアコンの使い方に関するさまざまな“ノウハウ”がささやかれています。引き続き、節約アドバイザーの和田さんに、こうした半ば“常識”になっている節約術の真相を聞きました。

Q1. 除湿(ドライ)運転は冷房よりも電気代が安い?
A1. △ そうとも言い切れません。

「一般的なエアコンの除湿運転は、弱冷房除湿と呼ばれる除湿運転で、名前の通り弱い冷房とほぼ同じです。電気代は控えめですが、除湿できる量も冷房より少なくなります。また、上位機種などに搭載されている再熱除湿の場合、部屋は冷えませんが、冷房より電気代が高くなることがあるのです。暑いときに室温を下げて湿気を取りたい場合には、冷房運転が最適。節電を考えるのであれば、冷房運転で設定温度を控えめにしましょう。除湿は梅雨時などの湿気が気になるときや、冬の結露が気になるときなどに使うのがおすすめです」(節約アドバイザー・和田由貴さん、以下同)

Q2. 寝るときは冷房のタイマー設定がオススメ?
A2. × おすすめしません。

「就寝してからの数時間は冷房をつけておき、しばらくしたら消える設定をしている方は、暑くて起きてしまったりしていませんか? 冷房をつけて寝るということは、窓も閉め切っていますよね。寝苦しくて目が覚めるほどまで室温が上がってから再度エアコンをつけると、電力もかなりかかりますし、睡眠の妨げにもなります。睡眠中に熱中症になることもありますので、部屋を閉め切って冷房をつけるのであれば、設定温度を高めにして朝までつけっぱなしにするか、タイマー設定するなら明け方の涼しい時間まではつけておくようにしましょう」

Q3. コンセントはプラグから抜いた方がいい?
A3. × 抜かないでください。

「シーズンが終わり、もうしばらく使わないというときは抜いても構いませんが、数日の旅行などでコンセントを抜くのはやめてください。エアコンは電源を切ったあとも、数時間は冷媒が循環するなど目には見えない運転をしていることがあります。途中でプラグを抜いてしまうと故障の原因になることがあるので、抜かないでおきましょう。シーズンオフにプラグを抜きたい場合は、電源を切って一日経ってからにします。また、使いはじめも、コンセントを差して半日ほどしてから電源を入れるようにしましょう」

Q4. 換気してからエアコンをつけるといいってホント?
A4. ○ その通りです。

「部屋の中に熱い空気がこもったまま冷房をつけると、室温と設定温度の差が大きくなり、消費電力量も上がります。帰ってきたら一度窓を開けて熱い空気を逃し、そこから冷房をつけると、効果的でしょう。窓が2か所以上あれば、どちらも窓を開けて扇風機を外に向けてつけ、部屋の空気を逃します。窓がひとつしかない場合は、窓を少し開けて換気扇をつけてもいいですよ」

Q5. やっぱり最新機種が一番の省エネ?
A5. △ そうとも言い切れません。

「エアコンの省エネ性能は、ここ10年くらいは、それほど大きく変わっていません。20年以上前の製品などと比較すると飛躍的に進化していますが、ここ数年くらいの製品であれば十分省エネ性は優れているといえるでしょう。ただ、最新機種はAIや各種センサーの搭載で、よりきめ細かい節電ができるようにはなってきています」

Q6. 冷房や除湿運転より、自動運転が一番いい?
A6. × お好みの温度に設定した方がいいでしょう。

「冷房と暖房、除湿のほかに“自動”という運転の方法がありますよね。これは今の温度から判断してエアコンが自動的に運転や設定温度を決めるというものです。リモコンが壊れてしまったときや紛失したときのために、本体だけで自動運転の電源を入れることができるようになっていて、救済措置のひとつとも言えます。状況に応じて勝手に切り替えてくれるので便利な一方、機種によってはかなり設定温度が低くなっているものもあります。風量や風向は自動がおすすめですが、運転は自動ではなく、冷房で設定温度を控えめにする方がおすすめです」

電気代を気にしながら過ごすのも大切ですが、気にしすぎるあまり体調を崩したり快適な眠りが妨げられたりしては本末転倒。我慢するのではなく、室外機の掃除や輻射熱対策などで消費電力量を下げる努力をしてみましょう。

Profile

節約アドバイザー / 和田由貴

消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。環境カウンセラーや省エネルギー普及指導員でもあり、2007年には環境大臣より「容器包装廃棄物排出抑制推進員(3R推進マイスター)」に委嘱されるなど、環境問題にも精通する。「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットーで、耐える節約ではなく快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。著書に、『超かんたん!はじめてのスマホ決済』(扶桑社)、『月3万円貯まるムダなし生活術』(永岡書店)、『快適エコのライフスタイル 冬の省エネ生活』(NHK出版)、『めざせ!ごみゼロマスター』シリーズ(WAVE出版)など多数。

http://wada-yuki.com/

取材・文=吉川愛歩 編集協力=Neem Tree