自分らしくあることが何よりも心地いい。当たり前のことですが、なかなか簡単にはできないものです。アットリビングでは、「こうあるべき」という考え方を飛び越えて、自分らしい生き方を体現し、いきいきと暮らしている人を不定期でインタビューしていきます。
第一回は高芦あかりさん、30 歳。SNS総フォロワー数100万超の大人気インフルエンサーです。彼女が発信するライフスタイルやコーディネートは幅広い年代から愛され、支持されています。
SNS越しに見るあかりさんは、いつもキラキラした光の中にいる印象。けれど、実際にお話をうかがって感じたのは、彼女が発する言葉一つひとつに宿る「思慮深さ」と、心地よい「潔さ」でした。20代最後の年に念願の書籍を出版したあかりさんに、30歳を迎えたリアルな心境や、あえて選んだ「別居婚」について語ってもらいました。
「誰かのため」から「自分のため」へ。20代後半で起きた、心地よい変化
「昔は結構気分の浮き沈みが激しくて、人の気持ちを考えすぎて悩んだり苦しんだりすることが多かったんです」。あかりさんは20代前半を振り返って、そう語ります。
「当時は他人の目がすごく気になってしまって、誰かを不快にさせちゃいけない、嫌われたくないという気持ちでいっぱいでした。でも年齢を重ねるうちに、意外と誰も私のことを見てないなって気づいたんです。決して冷たい意味ではなくて、みんな自分の幸せのために一生懸命なんだなって。
おかげで、30歳を迎えた今は楽観的になりました。結局、自分の機嫌は自分で取れる。いい意味で『自分中心』に生きられるようになったと思います。でもそれは、昔の自分が悩んだり迷ったり苦しんだりしたからこそ、今の自分がいるわけですよね。若い頃の自分を否定する必要はないし、それどころか感謝もしています」
無理に予定を詰め込まず、心が少し疲れたときは家で好きなことをして過ごす。そうやって自分の気持ちに正直に、自分を主役にして生きることが、結果的に周囲の人と心地よい関係性を築く近道になる。
あかりさんがたどり着いたのは、自分らしく毎日を慈しむ「ひとり暮らし」という選択でした。
不安から始まった「別居婚」。蓋を開けてみれば、毎日がもっと色鮮やかになった
現在あかりさんは、旦那様である今関龍介さんと別々に暮らす「別居婚」というスタイルを選択しています。きっかけは、彼からの「一度ひとり暮らしを経験してみたい」という提案でした。「もしかしたら別れたいのかも……」という不安から始まった新しい生活。けれど、その変化こそがあかりさんの毎日を鮮やかに彩るきっかけになりました。
「一緒に暮らしていたときは、雑貨ひとつ選ぶにしても、無意識に相手の好みを優先していたんです。旦那さんはすごくオシャレで、インテリアにとてもこだわりがある人なので、『ラブリーなものは置いちゃいけないかな』とか勝手に思っちゃって。
それが、ひとり暮らしをスタートしてみたら、自分の好みや趣味に合わせてすべてを選べることに衝撃を受けました。自分の意思だけで選んだものに囲まれたとき、『あれ、楽しいかも』と心が躍るのを感じたんです」
あかりさんが初の著書『nuance』で見せてくれている自宅の写真は、木目と白が調和した、温かなひだまりのような空間。お気に入りの家具やアイテムをSNSで紹介すると、「あかりさんのお部屋、すごくかわいいです!」「紹介していた家具を私も真似して買いました!」と、大きな反響を呼びました。自分自身のセンスを褒めてもらえたことが何よりの自信になった、とあかりさんは語ります。

「私にとっての家は、ただの居住スペースではなくて、外の世界で何があっても、ここに帰れば幸せに生きられる、『シェルター』のような場所。好きなものを愛で、食べたいものを食べる。別居婚から始まったひとり暮らしを通じて、以前よりももっと自分を大切にできるようになったと思います。仕事も一層かんばれるようになったし、お給料も増えました(笑)。いいことづくめですね!
ちなみに、旦那さんとの関係はとても良好です! 会うのは週に1~2回。以前からケンカは少なかったのですが、さらに仲良しになりました。今の状態をいつまで続けるかはまだわかりませんが、今後子どもができたり、生活が変わったりしたら、田舎に引っ越して広い家で一緒に暮らせたらいいな、なんて考えています」
「頑張ろう」よりも「これでいいんだ」を届けたい
フォロワー100万人以上という大きな数字を背負いながらも、「実感はまったくないんです」とあかりさんははにかみながら答えます。
「旦那さんはすごく背が高くて目立つし歩くのがゆっくりなので、一緒にいると気づかれることが多いんですが、私だけだと声をかけられることはほぼないですね。
でも、それがいいんです。正直、有名人!みたいになりたいわけではなくて。もしもフォロワーさんと街で会ったら、敬語ではなく『やっほー!久しぶり!』みたいな感じで声をかけてほしいです」
そんな気取らない彼女がSNSの発信を通じて届けたいのは、誰かの背中を強く押すような励ましではありません。
「私を見て『自分も頑張らなきゃ』って思ってほしくないんです。だって、みんなもう十分すぎるくらい頑張ってるじゃないですか。それよりも、『あ、これでいいんだ』ってホッとしてほしい。
動画を撮るときに部屋を掃除してるだけで、いつもはそんなにキレイじゃないし、お皿に移すのが面倒で、キッチンで鍋から直接ご飯を食べる日だってあります。そんな等身大の私を見せることで、誰かの毎日が少しでも楽になればいいなって思います」

最後に、今後の夢をこっそりと教えてくれました。
「最近、食品衛生責任者の講習を受けてきたんですよ。お料理が好きなので、ケータリングをやってみたくて。おいしくてオシャレで、手に取った人が幸せになれるような、そんなお料理に挑戦してみたいです」
愛する人たち、そして愛するモノたちと、適度な距離感で心地よく繋がること。キラキラと輝くあかりさんの生き方は、私たちに「自分を主役にしていいんだよ」というやさしいヒントをくれています。
Profile

ファッションディレクター・インフルエンサー/高芦あかり
アパレルブランド「moi tytto(モイ テュット)」、「nunèla(ヌネラ)」のディレクターを務め、同世代の女性から熱い支持を集めている。InstagramなどSNSを中心にファッションやライフスタイルを発信し、インフルエンサーとしても注目される。SNS総フォロワー数は100万人を越える(2026年1月時点)。
Instagram:@akari__0302
YouTube:高芦あかり
X:@akaridayo0302
TikTok:@akari__0302

『nuance』(ワン・パブリッシング)
高芦あかりさん初の著書。毎日の過ごし方や家でのひとり時間、料理やお菓子作り、インテリアへのこだわり、仕事との向き合い方など、等身大のライフスタイルを紹介しています。さらに、別居婚という夫婦のかたちや家族との程よい距離感にも触れ、自分らしさを大切にする暮らしを提案します。
取材・文=水谷花楓 撮影=高芦あかり