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家でワインを楽しむための蘊蓄講座ワインの世界を旅する 第2回
―イタリアと5つの産地―

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ヴェネト ~北イタリア、ヴェローナはロミオとジュリエットの舞台~

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中世の街並みを残すヴェローナは、シェイクスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』の舞台であり、あのジュリエットのバルコニーがある家は観光名所のひとつとして、旧市街の一角に現在も残っています。また、毎年4月にイタリア最大の見本市「ヴィニタリー」が開催されるのも、ヴェローナ郊外。期間中は、街の商店のウインドウには贔屓(ひいき)の「ヴァルポリチェッラ」や「ソアヴェ」のボトルがディスプレイされ、ワイン好きにとってはウインドウ・ショッピングをも楽しめる街でもあります。2020年は残念ながら開催されませんでしたが、イタリア中のワインが一堂に会するビッグイベントですから、春にイタリアに行く機会があれば、ぜひスケジュールに組み込むことを検討してみてください。

ヴェネト州の代表的なワイン畑は、ヴェローナの北側、東のソアヴェから西のガルダ湖へ40kmほどに伸びるヴェローナ丘陵に広がっています。白ワインの代表的な産地に「ソアヴェ」、赤ワインの代表的な産地に「ヴァルポリチェッラ」があり、それぞれ辛口の軽やかなものから干しブドウから造る甘口の「レチョート」と、幅広いワインが造られています。

ヴェネトは、イタリアのなかでもとくに生産量の多い地域であるため、比較的安価なワインが多いエリアでもあり、やはりこの地域でも“クラシコ”表示を基準に選んだほうが良質なワインに巡り会う可能性は高まります。「ヴァルポリチェッラ・クラシコ」は、チェリーのようなチャーミングな風味にほのかなアーモンドの皮の苦みが特徴で、コストパフォーマンスに優れたワインが多くあります。また、ヴァルポリチェッラの高級レンジには、乾燥させて糖度を高めたブドウから造る甘口の「レチョート」と、辛口で苦みと甘みを併せ持った「アマローネ」があり、アマローネを圧搾した後の果皮の上でワインを発酵させる「ヴァルポリチェッラ・リパッソ」(またはスペリオーレ)も、ヴァルポリチェッラ寄りの価格帯ですので気に入った生産者のワインに出会ったら、それぞれのワインをお試しいただくのもおすすめです。

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Begali Lorenzo(ベガーリ・ロレンツォ)
「Valpolicella Classico2016(ヴァルポリチェッラ・クラシコ2016)」
2500
輸入元=ミレニアムマーケティング

 

最後は、この産地をすでに知っていたら通な「トレンティーノ=アルト・アディジェ」を紹介していただきます。