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築地の路地裏で知るワインの第4色、
「オレンジワイン」の魅力

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愛される理由は、感性に響く意図、色合い、味わいのトーン

岩井さんが説くオレンジワインは、単に目新しい第4の色としての人気に留まらない魅力に溢れています。“美味しいもの”が飽和状態の現代の食生活で、“美味しい”だけではもはや、新しいムーブメントが起きる理由としては不十分。いつの時代も人の感性を動かすのはやはり、人の感性です。オレンジワインが造り手の意図に想いを馳せる楽しさに溢れていることは、愛される理由のひとつではないでしょうか。

また茶褐色の色合いは、私たち日本人が慣れ親しんだ“美味しいもの”を連想させます。白くて美味しいもの、赤くて美味しいものより、茶褐色で美味しいものの方がはるかに多くの食材や料理が頭に浮かぶことでしょう。そしてそれらの食材と幅広く合わせることができるオレンジワインの多様性も、もうひとつの魅力です。

さらに。私たち日本人は山菜や薬味、海藻、発酵食品といった、本来美味しさの代表格とされる味覚“甘味”“塩味”だけではない、“苦味”“酸味”“旨味”を自然に食卓に取り入れています。白ワイン、赤ワイン、ロゼワインにはこれまで感じられなかった味わいの要素を多く含むオレンジワインですが、私たち日本人にとっては、どこか懐かしさすら感じる味わいなのかもしれません。

 

最後に、「酒美土場」では現在扱いがありませんが、注目の銘柄を2点、ご紹介しましょう。

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カーブドッチワイナリー「いっかく 2017」(日本・新潟)
日本でもオレンジワイン造りを試みるワイナリーは増えています。これは同ワイナリーの1992年の創業以来初醸造となるオレンジワイン。『5種のブドウ品種によるブレンド。2017年は本当に厳しい年で、収穫時に成熟していないブドウも多く出ました。通常そのまま破棄してしまう事が多いのですが、あまりにも多いので“もったいない精神”が捨てることを許さず、醸造することにしました』。

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ドメーヌ・ミラン「ルナ・エ・ガヤ 2016」(フランス・プロヴァンス)
ワイン大国フランスでも世代交代により、新しい試みの一環としてオレンジワインに挑戦するワイナリーも。それがオレンジワインと呼ばれる以前の1990年代にすでに偉大な父が造っていたワインを、若干29歳の息子が復活させた初ヴィンテージ。現代らしく洗練された次世代の味わいです。

Shop Data

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酒美土場(シュビドゥバ)

住所:東京都中央区築地4-14-18 妙泉寺ビル1F
電話:03-3541-1295
営業時間:10:00〜15:00(金曜は19:00〜バー営業も)
定休日:日曜、祝日

↑オーストリアワイン大使としても活躍する岩井さん。オレンジワインに限らず、オーストリアのナチュラルワインの品揃えも豊富。
↑オーストリアワイン大使としても活躍する岩井さん。オレンジワインに限らず、オーストリアのナチュラルワインの品揃えも豊富。

 

取材・文=山田マミ 撮影=泉山 美代子