正しい歩き方に導く!
「ウォーキングシューズ」を履いた方がいい理由
1. 衝撃を吸収してくれるかかとのクッション性
「ウォーキングシューズはかかとにクッション性があり、歩行時の衝撃を吸収してくれる効果があります。それにより、長時間歩いても疲れづらく、膝や腰への負担も軽減されます」
2. 正しい歩き方に導いてくれる構造
「ウォーキングシューズはローリング歩行がしやすいよう、靴底に様々な工夫がされています。ローリング歩行とは、かかとから着地して、足の外側、内側、最後に親指に抜けていく、正しい歩き方のことです。最後に指で蹴り上げられるように靴底の指先が上がっていたりと、自然と望ましい歩き方に導いてくれます」
3. 足裏のアーチが整うインソール
「足裏にはアーチが5つあります。その中でも有名な横のアーチ1つと縦のアーチ2つが整うようにウォーキングシューズのインソールは作られている場合が多く、足裏が整うと足首もぶれづらくなります。私たちは体の全面積の2%しかない足裏で体全体を支え、たくさんの骨や筋肉などでバランスをとっているので、その足元をしっかり整えることで安定して歩くことができるのです」
■ ランニングシューズでの代用は可能?
「ウォーキングシューズをランニングシューズで代用することは可能だと思います。本来ランニングはつま先着地で、ウォーキングはかかと着地が主流なのですが、実は日本人に限ってはプロのランナーでもかかと着地の人が多いと言われています。日本で販売されているランニングシューズはかかと着地用に作られているため、ランニングシューズで代用できるとシューズ専門店の方もおっしゃっています。昔はランニングシューズの方が軽いと言われていましたが、最近ではウォーキングシューズも軽くなってきています。ただし、ランニング用、ウォーキング用と分けておいた方が目的がはっきりわかりやすいという点で、使い分けるといいですね」
自分の足に合うものが基本!
ウォーキングシューズの選び方
歩きやすいよう工夫された様々な種類のウォーキングシューズが各メーカーから発売されていますが、洋服と同様に、試着をして自分の足に合うものを選ぶことが一番です。山口さんによると、自分の足に合ったシューズを履いて正しい歩き方が定着したら、どんな新作シューズでも履きこなすことができるそう。そのために、ウォーキング初心者は何を基準にしてウォーキングシューズを選べば良いか、3つのポイントをお聞きしました。
1. 足先が1cm〜1.5cm大きいサイズ
「ぴったりサイズのものではなく、足先が1cm〜1.5cm余裕のあるものを選びましょう。足の指が踊っているのがポイントです。足先に余裕がある靴を履くことで、指でしっかりと地面を力強く蹴ることができます」
2. かかとホールドが自分のかかとに合っている
「ウォーキングシューズのかかとホールドが自分のかかとの太さに合ったものを選ぶことが大切です。かかとをフィットさせることで、足首がぶれることを防ぎ、歩行が安定し足に負担がかかりづらくなります」
3. 靴紐で調整ができる
「足が靴の中で前後にずれると、足の指を圧迫して足の変形の原因になったり、かかとが動いて靴ずれができたりしてしまいます。靴紐で締め具合を加減することで、靴を足のサイズに微調整することができ、ウォーキングシューズと自分の足が一体化するので、足が靴の中で動いてしまうことを防ぎます。また、靴紐をきちんと結んで歩くことで靴が脱げる心配がなくなり、歩きやすさも大幅にアップします。気に入ったスニーカーの足幅が合わなくても、紐で調整できるのはうれしいですね」
進化が止まらない!
最新ウォーキングシューズ4選
1.柔らかさと高反発性を兼ね備えた新ソールを搭載
ミズノ「ME-03」8690円(税込)
柔らかさによってためた接地時のエネルギーを、ロスを少なく反発させるミズノ独自の高反ソール素材「MIZUNO ENERZY」が搭載されたウォーキングシューズ。ミズノが総合スポーツ用品メーカーとして培ってきた「反発性」に関する知見を集結させた技術を使い、従来のミッドソール搭載モデルと比較すると、柔らかさが約17%、反発性が約15%向上しています(※)。メッシュ素材で軽く、通気性が良い一足です。※設計などにより、効果や感じ方は異なります。反発性は鉛直方向に圧縮したときの比率になります。
「かかとは低反発で着地の衝撃を吸収してくれるため、足に負担がかかりづらいですね。ボディはメッシュ素材で通気性が良いので、長く歩いても熱がこもりづらいのもうれしいポイントです」
2.軽やかで弾むような履き心地
アシックス「GEL-RIDEWALK LIGHT」9900円(税込)
アシックスがランニングシューズで培った「GUIDESOLE」テクノロジーをウォーキングシューズに採用し、カーブ形状のソールがコロンと転がるような動きを生み出すことで、歩行時の足首部の負担を軽減した一足。ランニング用の「GUIDESOLE(ガイドソール)」のままでは転がりすぎて逆にエネルギーロスを発生してしまうため、つま先部分にフラットな領域「FLAT ZONE(フラットゾーン)」を設けることで転がりすぎを制御し、ウォーキングに特化したエナジーセービングをおこなえるよう工夫がされています。アッパー素材は環境に配慮した再生ポリエステル材を使用。
「ランニングシューズの構造を取り入れていて歩きやすさ抜群な上、足を入れる部分にも工夫がされているのでゆったりと履けます。本格的にウオーキングを楽しんでぐんぐん歩きたい方におすすめです」
3.スタイリッシュなデザインに充実の機能
ニューバランス「UA900」9900円(税込)
「いつでもどこでも“自分らしくスタイリッシュに快適に”過ごせるウォーキングシューズ」として、どんなスタイルにも合わせやすいデザインに充実の機能を兼ね備えた「UA900」。外側にカーブしたヒールシェイプが脱ぎ履きを簡単にし、柔らかくフィットするインソールで疲れづらく快適に長時間の歩行をサポートしてくれます。爪先をしっかりガードしてくれる「NO SEW TIP」と、摩擦しやすいかかと部分の補強により、耐久性もアップ。柔らかく弾むような履き心地を実現したウォーキングシューズです。
「軽くてソフトなので、軽やかに歩きたい方におすすめです。見た目もスタイリッシュなので洋服にも合わせやすく、タウンウォークに最適な1足でしょう」
4.空気が循環するインソールで疲れ知らず
リーボック「デイリーフィット DMX ウォーク AP」8800円(税込)
インソールは、つま先、中足部、かかと部分に分かれた3つのエアポッドの中を空気が循環することで、足裏を刺激すると同時に土踏まずのアーチを自然な形でサポートしてくれる「DMX トリプルマックス ムービングエアー」を採用。柔らかなニット素材と伸縮性に優れた前足部分の構造により、快適な履き心地を実現しています。また、かかと部分を倒して後ろのストラップを足に引っ掛ければ、2WAYで楽しむこともできます。
「脱ぎ履きがしやすく、スタイリッシュなウォーキングシューズですね。空気が移動するDMXクッショニングを搭載しているので、通勤通学やショッピングも快適に歩けるでしょう」
Profile
ウォーキングスペシャリスト / 山口マユウ
一般社団法人「日本DF WALK協会」代表。証券会社勤務を経て、結婚。出産後、専業主婦から『VERY』『Como』『VOCE』『Domani』などの人気雑誌で読者モデルとして活躍し、プロのモデルに。モデルとしての活動をきっかけにウォーキングに興味を持ち、研究を重ね、ウォーキングスクールを始める。著書に『やせる3拍子ウォーク』(ダイヤモンド社)がある。
日本DF WALK協会 HP
取材・文=池田好(Neem Tree)