LIFE ライフスタイル・家族・仕事

シェア

貧血、頭痛、疲れやすい…は“鉄不足”が原因!管理栄養士が教える、
「鉄分」を効率的に補給するコツとレシピ

TAG

鉄分は、カルシウムと並んで不足しがちな栄養素です。とくに月経やダイエットの影響もあり、女性の“鉄不足”は深刻な状態。貧血、頭痛、疲れやすさなど、鉄不足による体調不良に悩まされている人は少なくありません。日本人女性の約10%は「鉄欠乏性貧血」を発症し、貧血にまで至らない鉄欠乏状態の「かくれ貧血」まで含めると、月経のある女性の約半数が鉄欠乏状態にあるとも言われています。

「今の若い女性は鉄不足の方が多く、とても心配です。1日3食のすべての食事の中で、鉄分のある食材を取り入れて欲しいですね」と話す、管理栄養士で国際薬膳師の岡本正子さんに、鉄不足がおよぼす影響と鉄補給におすすめのレシピを教えてもらいました。

 

さまざまな悪影響が…多くの女性が自覚している鉄不足

コスメメーカー「ドクターシーラボ」が行ったアンケートによると、鉄不足だと感じる女性は6割以上という結果に。主な自覚症状としては、「疲れやすさ」「立ちくらみ」「めまい」などの身体的なつらさや、「イライラする」「顔色が悪い」など、心理的なものや見た目にも影響を感じている人が多いようです。

※資料=ドクターシーラボ「顔のたるみ研究所」アンケート調査結果:20~59歳女性432名へのWEBアンケート調査(2018年5月実施)

鉄が不足すると、肌のハリがなくなり、たるみを起こす可能性も。

「鉄不足で血液の流れが悪くなると、冷えやすくなり体の機能が落ちてしまいます。また、意欲の減退、うつやパニック障害、学習障害など、メンタルの不調や不妊への影響も懸念されますね」(管理栄養士・岡本正子さん、以下同)

【関連記事】セルフチェック項目付き! 医師が教える「鉄欠乏性貧血」とは?

 

身近な食材から鉄分を効率よく摂取しよう

20200914_atliving_Fe_003

東京・国分寺にある矢島助産院で、産後のママ向けに食事作りをしている岡本さんは、日頃から、鉄分や葉酸、カルシウムがたっぷり摂取できる献立を意識しているそう。

「鉄分には、動物性食材に含まれる『ヘム鉄』と、植物性食材に含まれる『非ヘム鉄』があり、ヘム鉄の方が体への吸収力が高くなります。当然、それらを意識して食べてほしいのですが、菜食中心の食生活でもポイントをおさえて食材を選ぶことで、1日に成人女性が必要とする鉄分をまかなえますよ」

厚生労働省が公表している「日本人の食事摂取基準値」によると、月経ありの成人女性が必要な鉄量は1日約10.5mg。2020年度の改定では、妊娠中期の鉄推奨量が以前より5mg下がったとか。

「今回の改定理由は、妊娠中期以降、特に非ヘム鉄の吸収率が著しく上昇していることがわかったためです。母体がお腹の中の赤ちゃんのために鉄分の吸収率を上げられるなんて、神秘的ですね。必要な鉄量には個人差がありますので、鉄推奨量はあくまで目安にしてください」

1日の鉄の推奨量

・女性月経ありの18~64歳:10.5mg
・妊娠初期・授乳期:9mg
・妊娠中期:16mg

鉄分の豊富な食材例

・動物性(ヘム鉄)
…レバー、赤みの肉、赤みの魚(カツオ、まぐろ)、まるごと食べられる魚(にぼし、ししゃも)、卵、あさり、しじみ、牛乳、ヨーグルト

・植物性(非ヘム鉄)
…玄米、黒砂糖、全粒粉のパンやピザ、緑黄色野菜(小松菜、ほうれん草、春菊)、豆製品(豆腐、納豆、ミックスビーンズ、小豆)、ごま、のり、乾物(ひじき、高野豆腐、切り干し大根、きくらげ)、ドライフルーツ(プルーン、レーズン)

「サプリメントが含む鉄分を、体がどれくらい吸収できるかを正確に計ることができません。鉄分のサプリメントはあくまで補助的に使用し、1日に必要な鉄分をサプリメントでとろうとするのはやめましょう。それよりも、『おいしそう』『食べたいな』と感じるような、バランスのよい食事を心がけてくださいね」

 

必要な鉄量を厳密に計算するより気を付けるべきこと

1日に必要な鉄量を満たすために、なにをどれくらい食べればいいのでしょうか?

「食材ごとの鉄量を計算するのは大変ですし、鉄分の吸収力にも個人差があります。大切なのは鉄量の計算ではなく、白米よりも玄米、白砂糖よりも色の付いた砂糖、緑の濃い野菜など、より色の付いたものを選ぶこと納豆や豆腐などの大豆製品は肉類よりも鉄分が多く、効果的に鉄補給ができるので、毎日食べられるといいですね。砂抜きされた冷凍のあさりを常備するのもオススメです。冷凍あさりをよく洗って水から煮て味噌を入れるだけで、出汁いらずのおいしい味噌汁がすぐにできます」

『LODGEの底までまるい鉄鍋の本』(学研プラス)より
『LODGEの底までまるい鉄鍋の本』(学研プラス)より

「また、鉄鍋(ホーローなどでコーティングされていないもの)での調理や、ホームセンターなどで買える『鉄玉』を入れたやかんで沸かした湯を飲むことでも、鉄分がとれますよ」

 

鉄分の吸収力を高めるには食べ方が大切!

食べ方や食事中の水分のとり方にも、重要なポイントがあるのだそう。

「まず、鉄分の含有量は食材によって違うだけではなく、体に吸収できる鉄量にも個人差や体調による差があります。鉄分豊富な食事を1日1回まとめてとるよりも、3度の食事すべての中で鉄分を含むメニューを取り入れるようにしてください。

また、食事中にお茶や水、コーヒーを飲むと鉄分の吸収量が減ってしまいます。できるだけ、食事を食べ終わるまでは汁物以外の水分を飲まないように心がけてください。とくに、コーヒーや緑茶は鉄分の吸収を妨げるので、食後30分ほど経過してから飲みましょう。

そして、鉄分をサプリメントで補うこともあると思います。そのときは食事からとれる鉄分を含め、1日に必要な耐用上限量である40mgを超えないように注意してください。サプリメントによる鉄分の過剰摂取は、肝硬変や心不全などの臓器障害を引き起こす可能性があります」

【鉄分を摂る際の注意点】

1.鉄分豊富な食事をまとめてとるよりも、3度の食事すべての中で鉄分を含むメニューを取り入れる。
2.食事を食べ終わるまでは、汁物以外の水分、とくにカフェインを含む飲み物を飲まないようにする。
3.サプリを飲む際は、食事からとれる鉄分を含め1日40mgを超えないように注意する。

 

鉄分の効率的なとり方の基本を教えていただいたところで、次のページからは、毎日忙しい人でも作りやすい、時短で簡単な鉄補給レシピを、6種類紹介します。