原作のシリーズ累計発行部数が550万部を突破した大人気小説『妖怪アパートの幽雅な日常』が、待望のアニメ化。7月から始まったオンエアーは大きな反響を呼び、10月からの第2クールの放送も決定しています。そこで今回は、主要登場人物たちの魅力をあらためて紹介・解説するとともに、キャラクターを演じている声優の皆さんに直撃し、役柄や作品の魅力を語ってもらいました。
イケメンや美女が多数登場!
多彩なキャラが繰り広げる群像劇
本作の主人公は両親を交通事故で亡くし、アパート「寿荘」でひとり暮らしをする高校1年生の稲葉夕士。これまでいくつもの苦労を重ねながら生きてきた彼は、“普通の人生”を求めていた。ところが人間だけでなく、妖怪や幽霊まで共存するアパートに住むことになり、彼らの生前の思いを知ることで、自身の中に少しずつ“生きることの意味”を考える心が芽生えていく――。
そんな夕士役を演じるのは、声優の阿部 敦さん。これまでに『しゅごキャラ!』の相馬空海役、『バクマン。』の真城最高役など数々の主要キャラを演じ、2010年には「第4回声優アワード」で新人男優賞も受賞した実力派です。今作でも、10代ならではの揺れ動く心情や周囲の影響によって学んでいく人生の機微を、ときにコミカルに、ときに繊細に演じています。
また、寿荘の住人として物語を盛り上げるのが、沢城みゆきさん演じる久賀秋音、石田彰さん演じる一色黎明、中井和哉さん演じる深瀬明といった面々。
沢城さんは2017年に放送された『人気声優200人が本気で選んだ!声優総選挙』で4位に選ばれるなど、その表現力の高さは誰もが認めるところ。同作で演じる秋音役では、夕士とは1つ違いの年上ながら、女子高生と除霊師としての二面を持ち、自立した強い女の子を好演しています。
一方、石田さんは『新世紀エヴァンゲリオン』の渚カヲル役から『銀魂』の桂小太郎まで、ジャンルや性質を問わない声質に定評があります。一色役でも愛嬌のある風貌ながら、グロテスクで耽美な作品を生み出す詩人・童話作家を演じ、“ギャップ萌え”で多くのファンを魅了しているのです。
また、中井さんは『ONE PIECE』のロロノア・ゾロ役、『戦国BASARA』の伊達政宗役でも知られる大ベテラン。『妖怪アパート』では、好戦的でありながらも、懐の深いみんなの頼れるアニキとしての存在感を発揮。48歳という年齢も夕士にとっては父親に近く、夕士が厚い信頼を置く大人のひとりを見事に演じています。
そしてもうひとり、忘れてはならないのが夕士の親友である長谷泉貴です。演じるのは『おそ松さん』の松野カラ松役や『ドリフターズ』の島津豊久役でのイケメンボイスで、世の声優ファンを虜にしている中村悠一さん。長谷と夕士は小学3年生からの幼馴染で、中学卒業の日には本気で喧嘩をし合うなど、お互いのすべてをさらけ出し、信頼し合っている関係。また、長谷は裕福な家庭環境に育ち、それでいて野心家。さらにパーフェクトな容姿に加え、礼儀正しさも兼ね備えています。夕士とはまるで違う生き方ながら、互いにない部分を認め合い、夕士にとっては精神的支柱となっています。
このような個性的なキャラクターたちが、妖怪や幽霊が住む寿荘のひとつ屋根の下で繰り広げる、悲喜こもごもの群像劇。ときにおかしく、あるときは心を打つ数々のエピソードは、年齢層に関係なく、多くの人々の心を打つものです。第2クールにもますます期待がかかる、アニメ『妖怪アパートの幽雅な日常』をお見逃しなく!
生声をお届け! 声優のみなさんが明かす
アニメ版『妖アパ』の魅力と今後の見どころ
・阿部敦さん
――原作・台本を読まれた印象を教えてください。
いろいろな人物との出会いや、そこで起こることに対して、夕士君が悩んだり考えたりして成長していく姿が印象的です。
――原作も人気の作品ですが、アニメならではの面白さはどんなところだと思いますか?
単純に、動いてしゃべることではないでしょうか。それだけでかなりリアルに感じられるし、文字で読んだ時とは違ったインパクトがあると思います。それと、寿荘のまかないを作ってくれるるり子さんのご飯が、ホントにおいしそうなところですね(笑)
――『妖アパ』にちなんで、残暑を吹き飛ばすような恐怖体験がありましたら教えてください。
え~……霊感的なものはまったくないんですよね…。仕事に遅れそうな時の電車の遅延には恐怖を感じます。
――こんなアパートなら住んでみたいという理想の部屋は?
駅近、敷地面積100㎡、ペット可とか、理想はいろいろありますが、るり子さんがいてくれればそれだけでいいです! おいしいご飯バンザイ!!
――作品を楽しみにご覧になっている視聴者に向けて、メッセージをお願いします。
妖怪アパートでの夕士君の生活はまだまだ続きます。新たな出会いがつないでいく縁が一体どんなことを巻き起こすのか! 楽しみにしていて下さいね!
中村悠一さん
――原作・台本を読まれた印象を教えてください。
アットホームさ。人外から人間らしさを学ぶなど、夕士の成長や取り囲む関係性が、見ていて楽しくさせてくれるなと感じました。
――原作も人気の作品ですが、アニメならではの面白さはどんなところだと思いますか?
やはり声がついて動くこと。キャラクターの魅力にさらなる幅が出ていると思っています。また、演じる役者さんたちもベテランぞろいなので、聞いているだけで妖怪アパートの空間に居るような気分になれると思います。
――『妖アパ』にちなんで、残暑を吹き飛ばすような恐怖体験がありましたら教えてください。
とくにないです。でもこれって幸いなことですよね!
――こんなアパートなら住んでみたいという理想の部屋は?
面倒くさがり屋なので1部屋だけの広い部屋が住みやすいです。1K20畳みたいな。
――作品を楽しんでご覧になっている視聴者に向けてメッセージをお願いします。
これからの2クール目。夕士のドラマはさらにアパートの外へ向いていきます。妖怪アパートでは経験できない社会での出来事に、彼がどう向かい成長するかご覧ください。
沢城みゆきさん
――原作・台本を読まれた印象を教えてください。
現代からは切り離されたような、でも昭和ともまた違う……。独特のゆったりとした時間の中で人と人(と人でないもの)がちゃんと顔を付き合わせて、心で会話して日々を過ごしている様が印象的でした。
――原作も人気の作品ですが、アニメならではの面白さはどんなところだと思いますか?
声が入ることで、よりキャラクターが生き生きとしていたらいいなと…思っていますがいかがでしょうか……! 特に鳥トリオ(笑)は、声がついたことでレギュラーキャラクターのような存在感になりましたね。
――『妖アパ』にちなんで、残暑を吹き飛ばすような恐怖体験がありましたら教えてください。
うわあー! それだけはこの先もないといいなと心から願っています!!!
――こんなアパートなら住んでみたいという理想の部屋は?
理想はそりゃあ挙げればキリがありませんが、“まかない付き!”はかなりうっとりする響きですね……! あったかいご飯は体も心も支えるなと感じますし、何より誰かとご飯を食べると、ちゃんと食事になるなと思います。
――作品を楽しんでご覧になっている視聴者に向けてメッセージをお願いします。
ドラマCDでスタートした当初は、まさかこんなに長く並走させていただけるとは思っていませんでした。ご声援に支えられてのアニメ化。じんと沁みるものがあります。原作と合わせて、アニメの方にも最後までどうぞお付き合いいただけたらと思っています。
石田彰さん
――原作・台本を読まれた印象を教えてください。
主人公の夕士は現実社会にはじかれて、吹き溜まって寿荘にたどり着いた体(てい)にはなっていますが、実はもともと何があってもひとりで立っていられるバイタリティの持ち主なのが、この作品の力の源になっているんだと思います。
――原作も人気の作品ですが、アニメならではの面白さはどんなところだと思いますか?
妖怪やその影響、精神世界などをビジュアルで見せてくれるところはアニメならではでしょう。
――『妖アパ』にちなんで、残暑を吹き飛ばすような恐怖体験がありましたら教えてください。
部屋の明かりを消すとラップ音がするくらいのぬるい体験しかありません。その世界で生きているワケではない一般人にとっては、それくらいがちょうどいいです。
――こんなアパートなら住んでみたいという理想の部屋は?
都心で閑静、広めのガレージスペースがあって、かつ住民トラブルを抱えなくても済むような距離感が保てて、家賃も安い。理想を言ったらそれはもうアパートではないですね。
――作品を楽しんでご覧になっている視聴者に向けてメッセージをお願いします。
皆さまのおかげでアニメ版の『妖怪アパートの幽雅な日常』も好調に展開しています。ありがとうございます。できるだけ多くの人にご覧いただきたい作品ですので、未見の方にはこの機会にぜひ日常と非日常の境界線で繰り広げられる物語をお楽しみください。よろしくお願いします!
中井和哉さん
――原作・台本を読まれた印象を教えてください。
若者が生きていくうえでぶつかる様々な問題に対し、「これはこうなんだ」と語ってくれる大人がいるという構図が本当に気持ちいいです。クセの強い面々だからこその説得力、頼もしさがあります。
――原作も人気の作品ですが、アニメならではの面白さはどんなところだと思いますか?
ただでさえ多彩なキャラクターが動いて、しゃべって、掛け合うことでより個性が際立ち、見ている人も取っ掛かりが見つけやすいかもしれません。何気にアクションシーンも多いのでそこはアニメの得意技ですし。……あとトリかな。
――『妖アパ』にちなんで、残暑を吹き飛ばすような恐怖体験がありましたら教えてください。
買ってきたばかりの本を袋のまま炬燵に置いて、そこでウトウトしていたら金縛りに遭いました。いろいろな幻覚を見て、その中に出てきたおじいさんの不気味な笑顔で目が覚めました。本を開いてみると、そのおじいさんの顔が載っていました。
――こんなアパートなら住んでみたいという理想の部屋は?
小高い丘の上に建っていて、陽当たりがよくて気持ちいい風が吹き抜ける場所。新築ではないけれど清潔。広めの庭に緑がいっぱいで、芝生のスペースとかあって寝転がったりできる。親切だけどおせっかいじゃない人が住んでいる物件がいいです。
――作品を楽しんでご覧になっている視聴者に向けてメッセージをお願いします。
いろいろと物騒だったり、気が滅入るようなことの多いご時勢に、ほんわかとした心地よさをお届けできているのでは思っています。今後新キャラも登場してさらにパワーアップする予感。ぜひお付き合いください。
声優のみなさん、ありがとうございました!
©︎香月日輪・深山和香・講談社/妖アパ住人組合
企画・構成=プロデュース・オン・デマンド 取材・文=倉田モトキ