ソースにバターのコクを活かした「サーモンのアマンディーヌ」
アマンディーヌとは、アーモンドを使った料理のこと。バターをたっぷり溶かしたところにアーモンドと小粒のレーズンを和えたソースは、香ばしくてそれだけでも食べたくなるおいしさです。
「脂分の少ないサーモンやホワイトアスパラガスなどの料理に合うソースです。サーモンは最後の最後まで裏返さず、皮をパリッと焼きましょう。バターのコクがしっかりしたソースなので、付け合わせには茹で野菜や焼きトマトのような、酸味があってさっぱりしたものが合いますよ」
【材料(2人分)】
・サラダ油……大さじ1
・鮭……2切れ
・バター……30g
・スライスアーモンド……20g
・カレンズ……適量
・レモン……1/2個
・パセリ……適量
・インゲン、トマトなど付けあわせの野菜をお好みで。
【作り方】
1.フライパンにサラダ油をひき、皮目を下にして鮭を焼く。
「油をひいたら鮭の皮に少し油を馴染ませ、それから火をつけます。ジュワジュワと音がするまでは中火、その後は中弱火で焼き、8割がた焼けるまでこのまま触りません。皮をパリッと焼きたいので、いわゆる塩焼きにするような斜め切りのものではなく、まっすぐにカットしてある鮭で作るのがおすすめです」
2.付けあわせの野菜も一緒に焼く。
「トマトは芯をくり抜いて半分にし、インゲンは硬めに茹でてあります」
3.8割がた焼けたら最後に鮭をひっくり返し、10秒ほど焼いて皿に盛り、予熱で仕上げる。
「一度火をつけたら、火が9割くらい入るまで動かさずに加熱します。動かしてしまうと、皮がよれてしまったり破けたりするので、気をつけてください。かなり焼けたなというところまで焼いてから、最後に軽く反対側を焼いてできあがりです」
4.鮭と野菜を取り出してペーパーで拭き、バターを入れる。
「すぐに焦げてしまうので、しっかり冷めたフライパンにバターを入れます。バターが溶けて泡が出てくるのですが、その泡のキメが整い、細かくなってきたアーモンドとカレンツを入れましょう」
5.アーモンドが色づくまで弱火で加熱する。
「フライパンをまわしながら加熱していくと、アーモンドを壊さずにまんべんなくバリッとするまで熱することができます。アーモンドがほどよく色づくまで熱すると、バターとアーモンドが香ばしく、歯ごたえも豊かに仕上がりますよ。予熱でもさらに色づくので、ギリギリ手前まで加熱するのもポイントです」
6.火を止めてすぐにレモンを絞って色止めし、みじん切りにしたパセリを加える。
「こんがり色づいたら、レモンとパセリをよく混ぜ、バターの色止めをします」
7.皿に鮭と野菜をのせたら、ソースをかける。
「いんげんとトマトには軽く塩を振ります。トマトもソースと一緒に食べるとおいしいですよ」
家でもフランスの風を味わえるレシピ、いかがでしたか。外食することを考えたら、たまにはちょっといいバターとワインを買って、おうちで料理を楽しむのもいいものですよね。お好みのバターを見つけてみてくださいね。
Profile
西丸料理教室 主宰 / 西丸かおり
JSAソムリエ。慶応義塾大学仏文科を卒業。在学中にカンヌとパリに留学。広告代理店勤務しながら服部料理学園アカデミー・デュ・ヴァンに通う。退社後、ル・コルドンブルー東京校にて仏料理菓子を本格的に学ぶ。その後渡米し、NYピーターカンプス、パーソンズ及びカリフォルニアにて各国料理を学ぶ。途中渡仏してルノートル本店、リッツエスコフィエ、ル・コルドンブルー パリ校にて学ぶ。1999年、NYマンハッタンにて料理教室をはじめ、2013年再度NYへ。フードコーディネーター、ソムリエとしてレシピ開発に携わる。2017年帰国、東京世田谷区で西丸料理教室を再開、フランスとアメリカで身をもって学んできた食文化、実用的で温かみのあるフランス家庭料理と菓子を伝えている。
HP https://saimaru.jp/
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取材・文=吉川愛歩 撮影=安藤佐也加 編集協力=Neem Tree