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ワイン好きに提案したい魅惑のペアリング「スイーツ×甘くないワイン」
で作る、組み合わせの妙味とは?

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4.ミディアムボディの赤ワイン×︎苺のケーキ


【ワイン】「ドメーヌ・シャサーニュ・ボジョレー・ヴィラージュ・ランティニエ・レ・ブリュイエール 2017」

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【スイーツ】イチゴのショートケーキ

ケーキを彩る王道のフルーツといえば、イチゴ。一方、重すぎないミディアムボディの赤ワインに対する味のコメントとして多用されるワードもまた、イチゴに代表されるベリーのニュアンスです。

それぞれに無数のタイプが存在し、組み合わせは数万通りにもなると思いますが、あれこれ思い切ってペアリングに挑戦するのも楽しい体験。今回はミディアムボディの中でも特にベリー系のニュアンスのワインに仕上がるブドウ、ガメイ種を合わせました。さらに、ボジョレー・ヌーヴォーに代表されるマセラシオン・カルボニックという製法で造られるワインは、よりベリー系のニュアンスが強く感じられるので、イチゴのケーキにはおすすめです。

 

5.スパイシーな赤ワイン×中華菓子

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【ワイン】「アンドレ・ブルネル・コート・デュ・ローヌ・ルージュ・キュヴェ・ソムロング 2016」

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【スイーツ】月餅

月餅に代表される中華菓子は、菓子といっても独特な食材の香りやスパイスが効いたものが多くあります。複雑な味わいの赤ワインに共通するニュアンスも多く、実は和菓子や洋菓子よりも中華菓子のほうが、甘くないワインには合わせやすい万能スイーツと言えるかもしれません。

今回のワインはフランス南部コート・デュ・ローヌ地方の赤ワイン。自生のローズマリーやタイム、オリーブの木がブドウ畑のすぐ脇に覆い茂り、南仏の強い日差しに温められたゴロゴロとした小石の熱量と相まって、それらハーブのむせかえるほどの香りが畑全体に広がる……そんな光景がそのまま1本の瓶に詰められたようなローヌワイン。ワイン自体にもローズマリー、タイム、黒オリーブといった同じ印象の味わいが感じられます。

合わせた月餅は、五仁(ウーニャン)という木の実餡のもの。アーモンド、スイカの種、くるみ、南瓜、松の実、胡麻がたっぷり詰まっていて、まさにスパイシーな赤ワインとのハーモニーは抜群でした。

 

6.果実味豊かなフルボディ赤ワイン×︎チョコレート

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【ワイン】「サン・マルツァーノ・タロ・プリミティーヴォ・ディ・マンドゥーリア 2017」

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【ワイン】「ナーリー・ヘッド・オールド・ヴァイン・ジンファンデル 2017」

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【スイーツ】ミルクチョコレート・ダークチョコレート

トリュフチョコレートとシャンパーニュ。大人が楽しむペアリングとしては、とても素敵な雰囲気ですが、適度ななめらかさと柔らかさを楽しむチョコレートと、キンキンに冷えたシャンパーニュが同時に口の中に混在することを想像したとき、温度差が少々気になります。

ペアリングのポイントは、食感とともに食材同士の“温度帯”も気にしたいところ。今回は18℃程度が適温とされる果実味豊かな濃厚な赤ワインに合わせました。一方、選ぶチョコレートは、カカオの比率によってミルクチョコレートからビターチョコレートまでさまざま。そこで、産地や造りはまったく違うもののDNA型としては同一品種であると言われるイタリアのプリミティーヴォ、アメリカのジンファンデルという2つのブドウ品種に、ミルクチョコレート、カカオ約40%、60%、70%のチョコレートをそれぞれ合わせてみました。

同じ品種らしくどちらのワインも完熟ブドウ感がたっぷりでパワフルなアタック、濃密な余韻は共通しています。ですが同じDNA型とはいえ、やはり育つ環境や造りの違いにより味わいは異なります。細かい違いはさておき、全体の印象としてはイタリアのプリミティーヴォの方が若干柔らかく女性的、アメリカのジンファンデルの方が心地良い苦味を伴う骨格のしっかりした男性的な味わい。

実食をしていただいたワイン愛飲家の多くは、ミルクチョコレートには男性的なジンファンデルが、カカオ比率が高いビターチョコレートには女性的なプリミティーヴォが合うという意見でした。しかし、その逆が好みという感想ももちろんありました。

 

7.イタリアのランブルスコ×羊羹

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【ワイン】「メディチ・エルメーテ・コンチェルト・ランブルスコ・レッジアーノ・セッコ NV」

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【スイーツ】羊羹

一番目の餅系の和菓子とのペアリングには、柔らかい日本の微発泡ワインを提案しましたが、同じ和菓子でもしっかりとした食感の羊羹には、しっかりとした泡立ちのイタリアの赤いスパークリングワイン「ランブルスコ」を合わせました。二番目のプロセッコとチーズケーキ同様、ぎっしりとした密度の高い羊羹がしっかりとしたランブルスコの泡立ちによって心地よく口の中に溶かされていきました。ランブルスコは甘口から辛口までさまざまなタイプがありますが、今回はあえて辛口のものを。ランブルスコは力強いタンニンがありながらも味わい全体に柔らかさがあり、小豆の繊細な甘さの邪魔にはなりません。むしろその甘さを引き立て、奥行きとともに口の中には見事な調和が広がりました。

 

ペアリングに正解はなく、正解を探す必要もありません。ワインを囲んでそれぞれの好みを語り合う時間を持つこと、それ自体が素敵なワインライフではないでしょうか?

ご家庭でもぜひ積極的に「甘くないワイン×︎スイーツ」の組み合わせをお試しあれ。

 

取材・文=山田マミ 撮影=泉山 美代子