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古都の隠された魅力を知る。夏の京都でひんやり涼む、5つの方法

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百鬼と地獄の絵を鑑賞する

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真夏の蒸し暑い京の都、夜あやしげな雰囲気に誘われて垣間見ると、物の怪たちが戯れながら列をなして跋扈していた……というのが「百鬼夜行」。その源流は、「今昔物語集」や「大鏡」、「宇治拾遺物語」など古典にも遺されている、日本古来の怪奇現象といえます。

高台寺が所蔵する「百鬼夜行絵巻」。毎年夏に展示している。
高台寺が所蔵する「百鬼夜行絵巻」。毎年夏に展示している。

これが絵巻物に盛んに描かれ今に伝わるのは、中世から江戸時代までのもの。見るも恐ろしい妖怪のはずが、よくよく眺めれば、牛やカエルなどの動物やハマグリやサザエなど魚介類、果ては鍋や傘など小道具に足が生えた姿。戯画として描かれているのです。いわば、現代のアニメや漫画などにおける妖怪ブームの先駆け……とは言い過ぎでしょうか。

動物が擬態した物の怪。
動物が擬態した物の怪。
小道具にも手足が。何ともユーモラス。
小道具にも手足が。何ともユーモラス。

これを真夏の夜に見られるのは、東山の高台寺。豊臣秀吉没後、その菩提を弔うために秀吉の正室=北政所“ねね”が開創した寺です。毎年夏、所蔵する「百鬼夜行絵巻」(江戸時代前期・伝土佐経隆作)を展示しています。

東山は、かつて京都三大埋葬地に数えられる鳥辺野を有した土地。そんな怪異と縁深い場所に立つ高台寺で、物の怪や閻魔の絵巻を鑑賞するのも、乙なひとときでしょう。

方丈にはほかに、「地獄極楽図」(江戸時代・作者不明)や「閻魔図」(明治時代・河鍋暁斎作)なども展示。とくに、地獄と極楽を極彩色で描いた絵巻「地獄極楽図」は必見。
方丈にはほかに、「地獄極楽図」(江戸時代・作者不明)や「閻魔図」(明治時代・河鍋暁斎作)なども展示。とくに、地獄と極楽を極彩色で描いた絵巻「地獄極楽図」は必見。
天女が暮らす極楽浄土。
天女が暮らす極楽浄土。
目を覆いたくなるようなおぞましい地獄。極楽と対象的に描かれている。
目を覆いたくなるような、おぞましい地獄。極楽と対象的に描かれている。

また、8月1日から豊臣秀吉の命日・8月18日までは、夏の夜間特別拝観が行われています。お堂や茶室、竹林など見所が傾斜地に点在する高台寺を、美しく浮かび上がらせるライトアップを楽しめます。

方丈の前庭。
方丈前庭の枯山水。ライトアップによって砂紋が浮かび上がる。
月見台と、その奥には第一世の住持を祀る開山堂。建物の天井には、ねねの御所車の天井や秀吉の御船の天井を組み込んでいるのも見所となっている。
観月台と、その奥には第一世の住持を祀る開山堂。建物の天井に、ねねの御所車の天井や秀吉の御船の天井を組み込んでいるのも、見所となっている。
もっとも高台には、傘亭(写真手前)と時雨亭(写真奥)のふたつの茶室。利休の意匠によるものといわれる。
一番の高台には、傘亭(写真手前)と時雨亭(写真奥)のふたつの茶室。利休の意匠によるものといわれる。
茶室まで続く竹林。
茶室から続く竹林。蛇行しているため先が見通せず、幽玄の世界へ迷い込むよう。

昼とは一変する寺の景色を眺めながら、高台を通り抜ける風に涼むことができます。

【Information】

鷲峰山 高台寺
所在地:京都市東山区高台寺下河原町526
電話番号:075-561-9966
拝観時間:9:00〜17:30(17:00受付終了)
催しの期間:
・「百鬼夜行展」:2019年7月15日〜8月31日/9:00~18:30(最終受付 18:00)
・ライトアップ:2019年8月1日〜8月18日/日没後〜22:00(最終受付 21:30)
https://www.kodaiji.com/

 

さて、絵を見て怖い思いをしたあとは、怖い話を耳で聴いて、背筋をひんやりさせてみてはいかがでしょうか?

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“怪談和尚”の怪談を聴く

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大通りから一本入った路地に小ぢんまりとある赤門。これをくぐると、これまた小さな敷地にお堂が建っています。著名な大寺院が数多ある京都では、知らなければ素通りしてしまいそうな慎ましさですが、ここに知る人ぞ知る名物住職がいるのです。

住職の三木大雲さんは、稲川淳二の怪談グランプリ2014で優勝するなど数々の怪談・法話のコンクールで受賞歴をもつ、スゴ腕の怪談師。最初に聴かせた相手は暴走族だったという、怖いもの知らずの語り口で、怖くてありがたい“怪談説法”を聴かせてくれます。

蓮久寺を救ってくださったという、大黒さまが本堂の中央に鎮座する。
蓮久寺を救ってくださったという、大黒さまが本堂の中央に鎮座する。

今回の取材ではまず、かつて廃寺寸前だった蓮久寺が、仏壇の片隅から大黒様を見つけ出したことで、まるで「わらしべ長者」のように人々を巻き込み、巻き込んだ人々を救いながら、寺も見事に再興を果たしたという奇譚を拝聴しましたが、そののち、同じ語り口でおもむろに怪談が始まりました————

(中略)

終始朗々と語られるので、怖がっていいのやら強がったほうがいいのやら、お堂の中には何とも言えない雰囲気が漂います。

ぜひ実際に聴いて背筋を凍らせてもらいたいので、ここに怪談の内容は書きませんが、筆者はこの日以来、自宅マンションのエレベーターで目を開けて乗れなくなりましたし、赤いクルマを避けるようになりましたし、鏡と自分の動きがたしかに合致しているか凝視するようになったとだけ、お伝えしておきます。

ただ最後に、目に見える痕跡をひとつだけ。蓮久寺に今も隠れているという、座敷童子の手形です。

以前、座敷童子を呼んだところ、それに応えるかのように突如遺された跡だそう。
以前、座敷童子を呼んだところ、それに応えるかのように突如遺された跡だそう。

【Information】

光照山 蓮久寺
所在地:京都市下京区藪ノ内町607
電話番号:078-381-6628
拝観:完全予約制
https://renkyuuzi.gionsyouja.com/

 

以上、5つのポイントをお伝えしました。ぜひ盛夏の京都でひんやりしてください。

Travel Info

以上で紹介した“ひんやりスポット”は、すべて「そうだ 京都、行こう。」のコピーでおなじみ、JR東海による旅行プランで訪れることができます。

【初夏キャンペーン「苔と新緑」を体験する】
京都苔めぐりガイド
https://souda-kyoto.jp/travel/early-summer/koke2019/index.html
1.常寂光寺「苔の名所 嵯峨嵐山の古刹・常寂光寺で行う人気の『苔テラリウム』ワークショップ」
2.花屋「みたて」・大徳寺興臨院「花屋みたて店主 西山隼人さんから学ぶ京の苔木箱『かたかげ』づくり」
3.圓光寺「苔の名刹・圓光寺で行う早朝の苔庭作務と坐禅体験」

【夏キャンペーン「京の涼めぐり」を体験する】
「そうだ 京都、行こう。」旅行商品
https://souda-kyoto.jp/
期間:2019年4月15日〜9月29日

「ひんやり夏の京都たび」プラン
https://souda-kyoto.jp/travelplan/summer2019_sp/index.html
期間:2019年7月1日〜9月30日
プランに含まれる「京サマーsweetsちけっと」(3枚)を持参すると、対象店舗にて特典を受けられる。「page one」のかき氷は、チケット2枚が必要。

 

取材・文・撮影=@Living編集部 写真提供=JR東海