新元号は何になる? 現代の元号Q&A
最後に、現在の元号に関するギモンを山本先生に聞きました。
Q.現在、元号はどのように決めている?
A有識者が考案した案を元に首相らが閣議で協議し決める
「首相が数名の有識者に委任し、それぞれに複数の候補を提出してもらいます。官房長官がその候補を整理・検討し首相に報告後、首相が総務大臣、官房長官、内閣法制局長官などに精査させて数個の原案を選定。閣議で協議し決定した元号が政令で公布されます」
Q.いまでも和暦と西暦の両方が使われているのはなぜ?
A.一度元号廃止案が上がったが、元号肯定派が多数だったため
「昭和25年に参議院で『元号の廃止』が議題に上がったものの廃止の必要性は認められず。その後も公的文書などでは慣例的に元号が使われていましたが、元号法制化を求める声が多くなり、昭和54年に元号法が成立。反対派に考慮して『元号の使用を強制しない』と定めました」
Q.新元号はどう予想したら良い?
A.頭文字の制限と、これまでの頻出漢字に注目
「『M(明治)』、『T(大正)』、『S(昭和)』、『H(平成)』とは頭文字が異なるものになるでしょう。また、日本の元号は中国の古典から吉兆の漢字を選んでいるので、何度も同じ漢字が使われています。以下の漢字がよく使われますが、最近の元号になければ選ばれる可能性が高いですね」
【よく使われる漢字】
永:29回 元:27回 天:27回 治:21回 応:20回 正:19回 長:19回 文:19回、和:19回 安:17回 延:16回 暦:16回 など
一時は廃止の可能性もあったという元号。とはいっても、山本先生の解説をうかがってみれば、日本の歴史とは切っても切れないものだったことがわかります。ぜひ新元号予想にもチャレンジしてみて!
Profile
歴史学者 / 山本博文
1957年(昭和32年)、岡山県生まれ。東京大学史料編纂所教授。日本近世史を中心に研究を行う。『角川まんが学習シリーズ』(KADOKAWA)の監修を務めるほか、『天皇125代と日本の歴史』(光文社)など著書も多数。
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